黒留袖の石持は白く見えますが実際は多少黄ばんでおります。なぜかと言いますと生地を黒く染め上げるとき石持の部分を残すため「澱粉のり」を丸く置きます。染め上がった後この澱粉のりは除去されますが完全に取り除かれたわけではありません。
この他に動物性の脂、蝋なども付着しておりますので下処理をせずに上絵紋を描いてしまうと仕上がりが綺麗になりません。そこで当店は黒留袖に上絵紋を描く前に必ず「石持を洗う下処理」をしております。これをすることにより石持がすっきりと白くなり上絵紋がシャープに表現できます。
@石持洗い
作業する前の状態
A改良三品を丸く置く
B蒸気で蒸す
蒸気にあてすぎると改良三品がまわりに流れ出てしまうので細心の注意が必要です。
C洗い落とす
改良三品を完全に除去しないと時間の経過とともに紋のまわりの染めが抜けてしまうことがあるので丁寧に作業する
D石持洗い終了
上段の1の石持と比較するとあきらかに絹本来の艶が出ているのがわかるかと思います
E紋描き
F縁消し
丸なしの紋の場合いは石持と染めの境目をなくすために墨をぼかす作業をします。
G仕上がり
伝統紋置工芸 木村工房
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